

おくる心
いつもは元気いっぱいの5年生の男の子、 なぜか今日は元気がありません。 発表会の曲が難しすぎるのかな? ちょっと荷が重いのかなと心配になり お母さまに電話してみました。 すると、 彼が生まれる前からおうちで飼っていたワンちゃんが 先日亡くなったとのこと。 レッスンの前日に そのワンちゃんは火葬に出されていったのですが おうちを出て行くその時に 彼は「まだ完成してなくて間違ってばかりだけど、これを弾くね」と、 発表会の曲「白鳥」を弾いたそうです。 涙があふれてしまった。 彼は10歳、わんちゃんは15歳。 お母さまは 心にぽっかり大きな穴が開いてしまいました、と。 大切な家族との悲しいお別れです。 でもその悲しい気持ちとワンちゃんへの思いを ピアノに託してくれたことは、 本当にうれしいことでした。 いつもホームページで、 そしてここでお伝えしていること、 ピアノは私の心、私の言葉。 自分への想いをピアノに託して伝えた彼の演奏を ワンちゃんの魂はきっとしっかり聴いてくれたでしょう。 ワンちゃん、 どうかこれからも 天国から彼の練習を見守ってあげてね。


元気を出して!
夏休みもおわりましたね。
この夏休みに発表会があった人は多いと思います。 心配だったところが本番はうまく弾けて、ああよかった!と胸をなでおろしたり、 練習した成果が存分に発揮できて、また一歩進んだと手応えを感じたり、 発表会は本人にしかわからない、いろんな気持ちが溢れる大きなステップです。 憧れの曲をいただいた時は、うれしくて飛び跳ねたい気持ち!
こんな曲が弾けるんだ!と、ワクワクしながら楽譜を開いたでしょう。 でも譜読みを始めたら、思った以上に難しくて、難所がいっぱい…
本当にできるかな…本番に間に合わなかったらどうしよう… こんな不安な気持ちとたたかいながら、 一生懸命練習して、練習して、練習して—。 練習って不思議です。 最初はどうしよう!と思うくらい難しいところが、 根気よく頑張るとするするっと弾けるようになっていく。 そんな努力を重ねて、迎えた本番!リハーサルも万全です! なのに—。 一度も間違ったことのないところで指が突然引っかかってしまった! あ!と思ったら急に手がこわばって、跳躍を外してしまった! うそだ!こんなはずないのに!