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このすばらしい音楽を


めっきり寒くなりました。

先月あたりから始まった受験シーズン。

この日のために長い長い練習、

努力を積み重ねてきました。

それはきっと演奏だけではなく

心もしっかり成長させてくれたはずです。

今日までの実力のすべてを出し切れるように

支えてもらっている家族、先生に感謝して、

心身を整えて臨みましょう。

当たり前のことですが

指を大切に、よくメンテナンスしてください。

爪も、うっかり深爪してしまった!

というようなことがないように。

面倒がらずに外出の時は

必ず手袋をいつもはめるようにしましょう。

思いがけない怪我からも守ってくれます。

保温には革の手袋が最適です。

最初は冷たいと感じますが、長時間温めてくれます。

演奏前には

指の芯まで温かい油が回りきった感じがするでしょう。

寒さで肩もこわばりがちです、

簡単なストレッチも心がけましょう。

肩、肩甲骨周り、

背中全体はピアノの演奏の重要な部分。

風邪気味の時に練習すると

これがよくわかるはずです。

いつも柔軟に温かくしておきましょう。

 

実技試験が怖い…。

だれでもみんな感じることです。

ずらりと並んだ試験官の先生方は

そう、たいていは無表情でしょう。

ちょっとお疲れに見えるかも?

仕方ありません、

同じ曲を延々と聞くのですから

なかなか疲れるものなのです。

なぜ実技試験が怖いのでしょうか。

その恐怖、緊張、不安を乗り越えるために

猛練習したはず。

「練習は嘘をつかない。」

有名な言葉で、確かにその通りです。

でも

ただ合格するために、

落ち着いて本番に臨めるためだけに練習していたら、

恐怖はどんなに練習しても克服できません。

あなたはピアニストです。

あなたの演奏を聴いてくれる人の前で演奏するときは

れっきとしたピアニストなのです。

このことをしっかりと、

強く心に刻んでください。

あなたの演奏を聴いてくれる人…

試験官は鬼でも悪魔でも、

閻魔さまでもありません。

あなたと同じ、

音楽を愛する、同じ道を歩む方々です。

審査の先生は

温かい気持ちで若いあなたの素晴らしい演奏を

心待ちにしています。

演奏のどこにほころびがあるか、

いつミスするか…

地獄耳をそばだてて、

「ほらやったぞ!」

と減点することを待ち受けている人たちではないのです。

このすばらしい音楽を

私は心から愛し、勉強し、

練習で磨きあげてきました。

そして今日、

この私の音楽をみなさんにもおわけします、

どうぞ一緒に味わってください―!

試験官に一礼する時は

胸を開く気持ちで、ちょっと微笑んで―

この微笑みの効果は絶大です、

あなた自身を温かくリラックスさせてくれるでしょう。

そしてピアノに座ったら

心をしずめて集中です。

頭は氷のように冷静に、

心は太陽のように熱く、

自由に歌いだしましょう。

「見られている」と緊張しますか?

腕、手首、姿勢をチェックされている気が?

誰もあなたを監視してはいません。

弾き出したらあなたはひとりです。

すべての人々を突き放し

ただひとりの世界で歌うのです。

その歌、音楽こそが

人々とあなたをつなぐのです。

この一番大切なことをいつも心の中心に据えていれば

受験も、発表会も、コンクールも、

すべて大丈夫。

この音楽を愛している

だからみなさんと分かち合いたい―。

さあ、

今日の練習から

この想いを持って始めましょう。

いつも音楽のよろこびを礎(いしずえ)にして―!

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