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わたしだけの歌を


新学期もひと月を過ぎ、

少しずつ新しい環境が身に落ち着いてくる季節になりました。

進学、進級とともに

新しい先生のクラスで勉強を始めたり、

新しいレッスンを始めたり… 

春は緊張と期待の入り混じった日々ですね。

ところでレッスンの時、

自分で練習している時に、

どんなことを考えながら

楽譜に向かっていますか?

楽譜に書いてある通りに弾くこと、

間違えないように注意すること…

練習していると

いろんな気づきや考えが

シャボン玉のように生まれてきませんか?

メロディからいろんなイメージが

ふくらんできたりもするでしょう。

そんな気づきやイメージ

ミスしやすいところへのチェックなど

どんどん楽譜に書き込んでみましょう。

先生から教えていただく前に

自分の「研究結果」を書き留めておくのです。

そう、練習は立派な「研究」です。

「手首を少し低めに構えて」

「ひじがゆれないこと」

「このP(ピアノ)はふわりと浮き上がるように」…

実際の弾き方で工夫したこと

また自分の心の耳でとらえた感覚を

言葉にして書き込んでいきます。

ほんのひとこと、

自分だけがわかるキーワードでもかまいません。

数日それで練習してみると

また感覚が変わったり、

もっと大事なことに気づいたり、

いろいろ変化も出てきます。

そういうことを楽譜に記していくと

非常に進歩が速くなります。

まず、自分が自分の先生になるのです。

そんなことを楽譜に書いたりしたら

先生にどう思われるかな?

「おやおや、まだ習い始めなのに生意気なことを!」

「ずいぶん的外れなことを…」

こんな風に笑われそう、

恥ずかしい…そう思ってためらってしまいますか?

生徒は先生の前に真っ白の楽譜を差し出して

従順に教えていただくもの。

ほとんどの生徒はそう思っています。

でもそんな受け身のレッスンから

一歩飛び出してみませんか?

生徒が未熟ながらも

一生懸命自分で探り、

考え、工夫したことを、

生意気だと笑ったり

否定したりするような先生はいないと思います。

むしろ大歓迎!

先生と一緒にディスカッションしたり

充実した、楽しいレッスンになること、うけ合いです。

早い段階から

自分の歌を歌うんだ、ということを意識してください。

そしてその歌を

どんどん先生に聴いていただきましょう。

楽譜の書き込みを読んでいただきましょう。

自分の手のくせ

今抱えている弱点…

このフレーズに感じたこと

ここはどんなふうに弾きたいか、歌いたいか、

それはなぜか…

あなたの音楽のとらえ方、

そしてあなたのピアノへの思いがそこに表れます。

不思議なことに

その時は心からそう感じたことが

もっと後になって読み返してみたら、

まだよくわかっていなかったな、

気づいてなかったな、

ということもあります。

その時の自分を一歩、

また一歩越えて、

上達してきた今の自分に気づくのです。

春も爛漫、

すべての花が精いっぱいに

今の自分に満ちて咲き歌っています。

今年初めて太陽を見る花も

古木に咲く花も

みんな生まれたてのあたらしい花です。

日々を新たに

今日の花を咲かせることに熱を注ぎ、

明日はこの花をまた越えていきましょう。

めぐり来る春は

それを教えてくれます。

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