元気を出して!
夏休みもおわりましたね。 この夏休みに発表会があった人は多いと思います。
心配だったところが本番はうまく弾けて、ああよかった!と胸をなでおろしたり、
練習した成果が存分に発揮できて、また一歩進んだと手応えを感じたり、
発表会は本人にしかわからない、いろんな気持ちが溢れる大きなステップです。
憧れの曲をいただいた時は、うれしくて飛び跳ねたい気持ち! こんな曲が弾けるんだ!と、ワクワクしながら楽譜を開いたでしょう。
でも譜読みを始めたら、思った以上に難しくて、難所がいっぱい… 本当にできるかな…本番に間に合わなかったらどうしよう…
こんな不安な気持ちとたたかいながら、
一生懸命練習して、練習して、練習して—。
練習って不思議です。
最初はどうしよう!と思うくらい難しいところが、
根気よく頑張るとするするっと弾けるようになっていく。
そんな努力を重ねて、迎えた本番!リハーサルも万全です!
なのに—。
一度も間違ったことのないところで指が突然引っかかってしまった!
あ!と思ったら急に手がこわばって、跳躍を外してしまった!
うそだ!こんなはずないのに!
どうして?どうして?
頭はすっかり混乱してしまい、暗譜も飛んでしまって…。
こんなはずじゃない、こんなはずじゃない…!
あんなに練習したのに、どうしてこんなことになったの?
ピアノのいじわる!神さまのいじわる!
あんなにがんばったのに…!
悲しくてくやしくて、涙が止まらない…。
もう二度とこの曲は弾きたくない。
舞台だって出たくない。
あんなに練習したのに—!
………
さあ、涙をふいて。
みんなみんな、一度はあるのです。
練習したのに、失敗してしまうこと。
これは私たちが機械ではなく、生きた人間だという証拠です。
そして、
「成功したい!失敗したくない!」
と自分の力だけでひたすらがんばることから
これだけがんばったんだから、うんと楽しんで弾こう!
もし失敗した時は
こんなこともあるんだ、気持ちを切り替えて次へ行こう!
そう思える強さ、度胸を
本番の神さまからいただいたということ。
「
度胸」も大事な実力なのです。
みんなこのちょっぴりほろ苦い経験から
それを身につけていくのです。
だからもう思い出さず、頭を切り替えて
自分にゴーサインを出してあげましょう。
先生も、お母さんやお父さんも
みんなあなたがどれだけ練習したか、よく知ってくださっています。
特に先生は、この経験であなたが一段と成長できることを
よく知っておられます。
あなたをしっかり見て
次のステップのことを考えてくださっています。
お母さんもお父さんも、お友達も、
みんな応援してくれています。
さあ、涙をふいて、顔を上げてまた進みましょう。
ころんでも、すぐ立ち上がってみんなと一緒にこの道を駈け続ければ
またたくさんの素晴らしい音楽との出会いがあなたを待っています。
大丈夫、自分を信じてまた駈けだしましょう、
きっとピアノをもっと好きになれますよ!