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心で弾くピアノ


新しい曲を練習する時は

先生が最初にさっと弾いてくださったり、

CDを聴いたりすることが多いですね。

でも

少しずつ、まず自分で楽譜を黙読する習慣をつけましょう。

ピアノを鳴らさないで

眼だけで楽譜を読み、

心の中で音を鳴らしてみます。

最初は片手ずつ読んでいってもいいでしょう。

でも慣れてきたら

片手からではなく

両手でゆっくりと左右両方を鳴らしてみましょう―

心の中で、ですよ。

実際の練習も

実は片手ずつではなく

両手ですぐに譜読みをすると、

とても大きな力になります。

これは先生にやり方を指導していただきながらでないと

一人では混乱してしまうでしょう。

でも目で弾くことを練習することなら

自分で少しずつ始められます。

楽譜を黙読するのはとても退屈で

習慣にするのはなかなかむずかしいもの。

曲を頭の中で演奏して

全体をとらえてみることは

ちょうど建築家が

まず建物を細かいところまで鮮やかに思い描き

それから設計図を描いて

実際に模型を組み立てていくのと同じです。

新しい楽譜をもらって

ひとつひとつ音をたどっていって

何回も何回も練習して…

たしかに何回も弾けば

ミスもなくなり

流れもスムーズになります。

でも完成された曲の姿が頭になければ

実はすべて行き当たりばったりです。

ただ目の前に書いてあることを追いかけて

その強弱や緩急が

全体の中でどんなつながりや意味を持っているのか

よくわからないままに完成…

これでは演奏の意味が半減してしまいます。

意味を知らない外国語をカタカナで歌っても

少しも心が入らないように、

ただ音を順にこなしているだけでは

音楽こころを吹き込めません。

まず楽譜を眼で読んで心で演奏し、

楽譜から聞こえる曲に耳をすませましょう。

そうすると不思議なことに

心の中だけの曲が生き生きと歌い始めます。

楽譜があなたの心に教えてくれる歌です。

どんなふうに弾くといいのか

そこからわかってきます。

そしてそれは、あなたが弾きたい歌なのです。

ピアノは押せば勝手に音が出てくれますが

それだけではあなたの演奏になりません。

心の中に聴こえる音をピアノから作りだすこと、

れがあなたの演奏です。

理想の音色が作れるようになるために

全体を把握して

フレーズや一つ一つの指示、記号が、

その中でどんな風に生きて繋がっているのかを

しっかりと理解しながら弾けるように

練習の仕方を変えていきましょう。

楽譜から聞こえてくる音楽。

それを大切に聴きとりましょう。 そしてあなたの世界に

映し出していきましょう。

あわてず、あせらず、ゆっくりと…

楽譜と仲良くなってくださいね。

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