

お母さまは太陽
「これってなんの音だっけ?」「ド!」 「そのとおり!じゃあこれは?」「レ!」 「そうだね!じゃあこれはなにかな?」「ミ!」 「わあ、すごいねえ!全部言えたね!じゃあもう一回、これは何だっけ?」 「…ド!…」 「じゃあもう一回、これは何だっけ?」とたずねた音は ミのひとつ下のレです。 小さな子どもたちは、音を読むのも弾くのも下行が苦手。 ド、レ、ミ…と上っていくのはどんどん読めるし弾けるけど、 下っていくと、あらあら、さっき読めた音じゃないの、どうしたの? となってしまいます。 こうなるとお母さまは途端にハラハラ。 「あ!間違えた!」「なぜできないの?」 「覚えが悪いのかしら…」 「練習しなさいってあれだけ言ったのに!」 レッスン中によそ見をしだすと 「この子はあんまり向いてないのかしら…」 etc.etc.… そのお気持ち、とってもよくわかります。 私もそうでした。 でもどうぞ、あまり心配なさらないで。 たとえば上の例でいうと、 人間はもともと下行が苦手なのです。 駅の階段を思い出してみてください。 ホームから電車がまもなく発車… きゃあ、待って