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おくる心


いつもは元気いっぱいの5年生の男の子、

なぜか今日は元気がありません。

発表会の曲が難しすぎるのかな?

ちょっと荷が重いのかなと心配になり

お母さまに電話してみました。

すると、

彼が生まれる前からおうちで飼っていたワンちゃんが

先日亡くなったとのこと。

レッスンの前日に

そのワンちゃんは火葬に出されていったのですが

おうちを出て行くその時に

彼は「まだ完成してなくて間違ってばかりだけど、これを弾くね」と、

発表会の曲「白鳥」を弾いたそうです。

涙があふれてしまった。

彼は10歳、わんちゃんは15歳。

お母さまは

心にぽっかり大きな穴が開いてしまいました、と。

大切な家族との悲しいお別れです。

でもその悲しい気持ちとワンちゃんへの思いを

ピアノに託してくれたことは、

本当にうれしいことでした。

いつもホームページで、

そしてここでお伝えしていること、

ピアノは私の心、私の言葉。

自分への想いをピアノに託して伝えた彼の演奏を

ワンちゃんの魂はきっとしっかり聴いてくれたでしょう。

ワンちゃん、

どうかこれからも

天国から彼の練習を見守ってあげてね。

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